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Posted by チェスト at

訳が無いとどう

2015年12月30日


「そんな女達の噂話を信用したのか?」
俺は下から睨みあげてくる女をちょっとだけ気が抜けた瞳で見る

「だって…確かめようとしても貴方…帰って来なかったじゃない。」
そう言いながらまだ目に涙が溜まっている

「だから鑽石水…忙しいだけだ。」

本当は違う理由も有るのだがそれは…言えばこの女の重荷になる

「嘘よ。貴方嘘を言う時私の目を見ないもの…それにわざわざテマン君に言ってまで帰って来てって言った24日だって…あの日はその…丁度月の物が終わってその…あの…」

そう言って耳まで真っ赤になって言った。
今…なんと言った月の…

「月の物が来たのか!」
俺は思わずこの女の両腕を両手で掴んでガクガクと揺らす

「え…えぇ、今月から…その、やっと。身体がようやくこの世界に慣れてきたのかな…?ちゃんと一週間。」
そう言った。

月の物が来てたのか…

「やっと来たから、嬉しくて…でも、言おうと思っても貴方は帰って来ないし、言いに言っても其処にも居なくて…その内に貴方の他の女の事が噂になってて鑽石能量水 騙局…もう、もう、どうしたら良いか判らなくて。」

そう言って女は俯きぽたぽたと涙をようやく零す

「貴方は…とても情熱的な人だわ。だから、もしかしたらもっと素敵な人が出来て…私の事なんて…もう、」

其処まで聞いて胸が潰れるかと思った
まさか月の物が来るまでに身体が戻っているとは思ってなかったからずっと…

典医寺にすら顔も出さず、皇宮に篭りっきりで…

誤解も生まれる筈だ…俺が屋敷に帰らない理由を知っている叔母上と王以外は…
まさか…そんな噂が…火の気など全く無いと言うのに、陽炎の火を見間違えた者が居るらしいが…

とにかく誤解でしかない。
それに身体がもう大丈夫なら俺も我慢なんぞする気は無い

全く、呆れて物も言えぬ…

大事に思い過ぎて遠くから眺めるなど…俺には到底出来ぬと分かっていたのに…
この女にも無理だと知っていたのに。

そう分かったら無性にこの赤い唇に喰らい付きたくなる

ほぼ、一ヶ月ぶりだ…抱き締めるのも口づけするのも
本当は毎晩この身体を抱き締めたくて腕は空を彷徨ってばかりで…

ようやくこの手に捕まえた

涙を流し目を伏せている女の髪を少し引っ張り上向かせ喰らい付く
唇を開かせようとその唇をなぞる様に舌を動かすが全く開かない

一度顔を離し女の顔を見るとまだ怒っているらしく真一文字にその赤い唇を引き締め、大きな瞳から涙をぽろぽろ流しながら俺を見る

その女を腕に抱き、俺は言う

「口を開け…」
そう言うと女は嫌にはっきり言う
「嫌よ。貴方の言う事なんて聞くもんですか…」
俺は腕にその女を抱え、瞳を睨んだまま声を抑え囁くように言う

「ならば、唇に噛み付くぞ?」
俺が言うと女の方も負けては居らず、
「噛み付いてみなさいよ…私も噛んでやるから…」
そう答えた

だから、俺は言った通りに噛み付いた

もう一度頭を自分の掌でしっかり持って顔を上向かせその口に文字通り。

女の唇が少し切れて鉄の味がする…するとこの女も目を見開き俺に噛み付くために口を開いた所で俺は舌を滑り込ませて女の舌を引っ張り出すように味わう

自分の舌が絡め取られているから歯を食いしばる事が出来ずに女の唇は俺が思うままに舐め上げる事が出来た

そうしてゆっくり時間をかけて解き解していくとようやく、この女の身体から力が抜けて俺に身体を預けて来る…

全く、手のかかる妻だ。
こんなじゃじゃ馬、俺しか乗りこなせんだろうに…

何でそんな簡単な事がこの女には分からんのか…
そんな女を欲するような男がそん所そこ等の女で満足する訳が無いとどうして気が付かんのか…

俺が惚れたのは後にも先にもお前だけだ…

そうは思ったがお互いの唇を一ヶ月ぶりに味わうと離す事などできず、二人して何度もその舌の感触を感じ舌に絡まる蜜を吸うようにその場で立ったまま口付けていた…

地下牢の寒さを一瞬忘れ、ただ、お互いにお互いの身体を搔き抱いていた…

  

Posted by 関係の鮮度はどのくらいですか at 17:00Comments(0)patience